相良は海外から帰国し、早速恋人の秋子に電話で求婚したが、彼女は約束の教会に向かう途中で交通事故に遭ってしまった。その時の思い出が今でも彼を苦しめていた。四年の月日が流れ、相良は今は横浜でナイトクラブを営むかたわら、"逃がし屋"としても働いていた。ある日、探し続けていた秋子がグエンという男性と現れた。グエンは祖国で起きた革命のため、すぐに帰国しなければならなかった。彼は相良にシンガポール行きの船を探してほしいと懇願した。しかし相良は、冷たい目で秋子を見つめながらも、彼の頼みを断ってしまった。この出来事を知った本国からの反グエン派の佐伯は、すぐに相良を警察に通報した。相良は密出国幇助罪で厳しく調べられることになった。その間、毎晩スカーレットに通い続ける秋子は、相良に自分の夫を密出国させるように懇願した。捜査が進むにつれ、相良にかかる疑いはますます強まっていった。それでも彼は、秋子の幸せのためにも夫を逃がすことを決意した。夜中の港で、船に乗り込んだグエンと夫婦の再会を見届けた相良は、ついに彼らをシンガポールへと送り出した。彼らが去った後、相良は再び警察に捕まってしまった。しかし、秋子の証言により、彼は罪を免れることができた。そして二人は再び会うことができたのだった。相良は、秋子の幸せのために自分を犠牲にすることを決して後悔はしなかった。そして二人は、永遠に共に歩むことを誓ったのである。